原子力ムラとは

 

「原子力ムラ」という言葉は、原子力発電に関する様々な利権によって癒着している、産業界と関係省庁、そして学界の特定の関係者によって構成された特殊な集団、またはその関係性を指すものであり、基本的にはそこに批判を込めて呼ぶ言葉となっています。

 

この言葉が広く世の中に広まるようになったのは、2011年に発生した福島第一原子力発電所事故の影響であり、そこで発覚することとなった原子力を巡る産業界と関係省庁、学界の癒着やその閉鎖性というものが問題となり、各メディアなどでも大きく取り上げられることになったのです。

 

原子力発電に関しては、年間で数兆円ともいわれる利権が発生するようであり、そこに原子力発電に関連する特定の企業や政府機関、そして個人などがこぞって群がることになるわけです。

 

そして、そこで自分たちが享受することとなる莫大な利権を守るために、原子力発電に懐疑的な意見や批判的な意見というものを抹殺することに精を出すことになるのです。こういった様子が、閉鎖的で偏屈なかつての日本の村社会のような印象を与えることから、「原子力ムラ」という言葉が作られ世間に広まっていくことになったのです。

 

実際に日本の原子力発電所を規制する当局には十分な独立性がないと、国際原子力委員会(IAEA)からも厳しい指摘を受けているという事実もあるのです。